我が家にはお雛様が二つ。当然のことながら娘が二人いるからなのだが、このお雛様事情はそれぞれの家庭によって違うようだ。
三姉妹を持つママ友は3段のお雛様を長女ちゃんの時に購入。そこから年子で3人の女の子を産み続け、現在のお雛様事情が非常に笑える。
一段目長女。
二段目次女。
三段目三女。
という分け方をしているそうで、お内裏様、お雛様は日替わりで座席を移動しているらしい。
2段目3段目にはお雛様のスペースがちょっとしかなく、ずり落ちそうなお雛様もなかなかに情緒があると彼女は言い張っている。
また、美容師さん夫婦の間に生まれた仲良し姉妹は、血は争えないのだろう・・・。
お雛様の髪の毛をきれいにカットしてしまったそうで、ざんぎり頭のお雛様を諦めもせず飾っている。
私の実家は 姉、私の姉妹なので、姉は7段飾りの立派なお雛様を持っており、私は男女の市松人形である。
桃の節句の度にやさぐれる私に両親は
「お姉ちゃんのお雛様よりも高かったんよ。」
「お姉ちゃんのは人形いっぱいあるけど、あなたのいちまさんはお人形2つだけやのに、お雛様と同じ値段なのよ。」
と、苦しい言い訳をしていたが、子ども心に素直に信じていた。可愛いではないか!私。
ちなみに、私が真実に気がついたのは長女を出産後のことである。プチ修羅場があったことだけお伝えしておこう。
このように聞くだけでもそれぞれの家庭の事情が垣間見えるお雛様だが、我が家の場合も次女が生まれた時にお雛様は一つでいいという夫と、お雛様を持っていない次女の悔しさを語る私とでもめた。
長女は秋生まれなのだが、はじめての子どもということもあって、出産後すぐに「お雛様貯金」をしていた。
転勤族なので、大きな段飾りは止めておこう。値段は10万未満ね!など、あれこれと考えるのはとっても楽しかったのだ。
年明けからジャンジャン届くダイレクトメールを参考に色々な店舗を毎週末見て回った。
結局長女のお雛様は2段の5人飾りで落ち着いた。木目込み人形にしたので、かなりコンパクトにまとまり、キュートなお雛様を手に入れて夫も私も満足した。
そんな大満足のお雛様を手に入れた我が家にやってきた次女。お雛様に関しては間が悪いとしか言いようがない。
貯金もしてないし、買わなくてもいいでしょ?という夫の実家予想に反して、次女専用のお雛様も我が家にはあるのである!
なぜなら、お雛様は女の子に振りかかる厄を身代わりに受けてくれるものだと知ったから。
私の祖母や母親の意見を聞いてみると実家の地域の人たちはみんな、「お雛様二つはいらないかもしれないけれど、なにか身代わりになるお人形を・・・。」という考えのよう。
この意見は夫に影響を与えた。
転勤で当時住んでいた地域は一家にお雛様は一つという考えが主流だったので、夫は最初からお雛様二つにはあまり乗り気ではなかったのが・・・。
誰だって自分の子どもは辛いことなく元気に育ってほしいし、幸せな結婚だってしてほしい。
祖母達の意見はそんな夫の心にかなりの揺さぶりをかけ、「長女と同じくらいの値段なら」という条件のもと、次女もめでたくお雛様をゲットしたのである。
長女の時と同じく、木目込み人形。
手で触りながら丁寧に飾る事を楽しみたい為、ガラスケースには入っていないもの。
棚の上に置けるサイズのもの。
なにより最重要項目の「市松人形ではなく、お雛様!!!!」と大騒ぎした私の意見がそのまま通った形で、木目込みの立ち雛が次女のお雛様となったのである。
すったもんだで購入したお雛様はやっぱりそれぞれに感慨深いものがあり、現時点でお雛様を一番楽しんでいるのは私なのかもしれない。